こんばんは。
研修スタッフの千葉です。
本日はアートギャッベの肌触りの良さについてのお話です。
アートギャッベに使われる羊の毛は”高山羊”と言われるイランの山に住む羊の毛を使っています。
高山羊の毛並みはストレートな直毛。
羊というより、まるでヤギのような見た目をしています。
イランの山々は乾燥地帯。
日差しを遮る物がないので日中は暑く、夜間は寒くなる土地です。
そんな自然環境の厳しい中で暮らすイランの高山羊たちは、体を守るため毛に上質な脂分を蓄えています。
その脂分の正体は「ラノリン」という成分。
ハンドクリームや靴磨きクリームなど、肌や革製品のケアに使われるほどの上質な脂分です。
アートギャッベにも、この上質な脂分が含まれています。
なめらかな肌触りの良さはこの脂分のお陰なのです。
脂分を抜かないためにはまず染色からです。
脂分は水分をはじくので、糸を染色するには厄介な存在。
糸は脱脂をしてから染めるのが、一番簡単に染まる方法です。
しかし、脂分を抜くとゴワゴワの感触になってしまう原因にもなります。
私たちはアートギャッベのさわり心地を大切にしています。
糸を染める工房ではこの脂分を抜かないように、時間を掛け丁寧に染めていきます。
草木染めで何回にも分けてじっくり重ね染をすることで、脂分を適度に保ったまま染色します。
とても時間のかかる非量産的な方法ですが、それが上質な造りへの一歩。
アートギャッベのさわり心地のよさは、手間暇かけて大切に作られてきた証なのです。