こんにちは。
研修スタッフの千葉です。
一昨日、私は本社のある新潟へ向かいました。
その理由は本店・新潟で開催される林業研修に参加するため。
ボー・デコールでは4年ほど前から、1日林業体験を通して家具の第一次産業に触れることをしています。
私たちスタッフは普段店頭にいることが多く、作り手がどのような気持ちで木々を育てているのかは伝わりづらいものです。
そのため、その気持ちや大変さを知ろうと定期的に行っているのがこの林業研修です。
林業研修の場所は新潟本店から車で約1時間走らせた、標高1000m以上ある森林。
あたり一面が杉の木で囲まれた森です。
この日は天気もよく、あちらこちらから野鳥のさえずりが聞こえてくるほど自然豊かなところでした。
最初に職人さんからのレクチャーを聞き、安全に林業を行うために説明を受けます。
怪我と隣り合わせの現場なので、安全第一。
自分が怪我しないために、相手を怪我させないためにしっかりと説明をお聞きします。
今回の研修は森林の間伐と枝打ちです。
間伐は森林が茂りすぎるのを防ぐため木を切ってまばらにすることで、枝打ちとは下枝や枯れ枝を切り落とし養分を必要な場所に送り届けることを目的にしています。
講習を受け、いざ森の中へ。
のこぎりを持つ手にも緊張が走ります。
森に足を踏み入れると手入れされる前の杉の木たちがあちらこちらに。
枯れ枝や斜めに育った木などを剪定していきます。
前回の枝打ちの痕。これが長い年月をかけて私たちもよく知る“節”になります。
家具でも節は木材の味となる部分。切り口がきれいでないと美しい節にならないそうです。
のこぎり一本でこの子の木材としての風合いが決まってくると知りました。とても責任重大です。
また、杉の森では広葉樹も伐採していきます。
葉を広範囲に広げる広葉樹は杉の木に必要な日光を奪ってしまうので天敵なのです。
私たちにもなじみの深い「藤」も杉の木の成長を邪魔してしまう植物だそうです。
藤は蔦植物ですので杉の木を支柱にしながら成長していきます。成長スピードも速くあっという間に杉の木を飲み込んでしまうのです。
そして杉に絡みついた蔦は年を重ねるごとに太くなり、杉を締め付け成長を阻害します。
古くから日本人に好かれる植物の藤ですが、杉の木にとっては害のある植物なのですね。
上の写真のこの杉は雪の重みで幹が曲がり、藤が上の方まで絡み付いていたので間伐を行いました。
せっかく育ったのにかわいそう、、、
そう感じずにはいられませんでしたが、職人さんにお話を聞くと間伐された木も色々なところで活躍しているそうです。
間伐された木は間伐材と呼ばれ、ペット用の消臭チップに加工されたり発電機の材料になったりします。
また切り倒された木は土に還り、栄養豊かな土壌にしてくれるので、豊かな森林を作るために尽力しているのだそう。
林業を体験するまでは間伐された木はもったないものと感じていましたが、間伐された木々が豊かな森林を作っているのだと知り無駄になるものはないと知りました。
間伐、枝打ちが終わった後の森林です。
地面まで日光が届き、木漏れ日が差し込むようになりました。
枝打ちをした木々はなんだか洗顔をした後のようにさっぱりしたすがすがしい表情を見せてくれました。
体を使い、林業の知識を学び、日々の生活では経験できないことを経験した林業研修になりました。
今日の経験をお店でも活かせるように頑張ります!